福岡県 那珂川市議会で取り上げられました
生活困窮者の葬儀に司式者が来ない、という問題が市議会で取り上げられました!
日本初のことではないでしょうか。
声を上げたのは、那珂川市議会の稲生まりこ議員。
傍聴席で稲生議員の声に耳を傾けながら、同議員がこのことを人の尊厳に関わる重大な社会的課題と捉え、何とかして解決したいという強い思いを私たちと共有しているということが伝わってきました。これまで市井で地道に取り組んだ来たテーマが、議場という場で市政に関わる人々の真ん中に、しかも強い思いの乗った語調で響き渡っていることに目頭が熱くなりました。
稲生まりこ議員に、この場を借りて心から感謝を致します。
以下は、傍聴した石村による要約です。ぜひこちらもお読みください。
議員:
・生活困窮者の葬儀に経済的理由で司式者が来ないという現状を市は把握しているか?インターネット上の僧侶紹介サイトでは6万円が相場であり、困窮世帯にはとても負担できない。
・生活困窮者は一切の式が出来ず火葬のみという現状は憲法25条にある「文化的な最低限度の生活」が保障されている状態とは言えない。
・那珂川市は誰一人取り残さない社会の実現を目指すSDGsのまちづくりを掲げている。困窮者は取り残されていると言えるのではないか。
・困窮世帯の葬儀にボランティア牧師を派遣して司式を行うNPO法人が市内にあることを把握しているか?
・市としてこの団体と協働するつもりはあるか?
これに対して市の回答は:
・当該団体(注:おとむらい牧師隊)のことは把握しており、市のボランティアセンターの基準に適合していることを確認し同センターに登録し、同センターのウェブサイトで掲載しているほか、市の広報誌にも掲載して、広く市民に紹介してきた。ただ、不幸のあった困窮世帯に生活福祉課から個別に同団体を紹介することは、同団体が特定宗教の宗教者のみを派遣するものであるため考えていない。
これを受けて議員は:
・葬りと宗教は切り離して考えることは出来ない。政教分離は政治と宗教団体を分離するものであり、政治から宗教自体を分離するものではないはずだ。宗教間の公平性が必要なのであれば、市の方で「おとむらいボランティアバンク」を創設し、市内の僧侶や神官、牧師などに広く参加を呼び掛ける形を取ればよいのではないか。